もしも、願いが叶うなら。 (ページ3)

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2話　叶えたい想いページ3

『ふぁー…よし、今日はパウンドケーキ日和だね！焼いてよかったー。』

シャケから元気な返事が聞こえて、今日もいつも通りだなぁと安心する。

ここは一見普通のお店。
…開いていないように見えるけどね。

でも、本当は願いを叶えるお店。

…お代は、その人の叶えたい物事に対する想い。
切に叶えたいと願っている人にしか、力を使いたくないから。
…だから、実質無料。

…なんでこんなお店をしてるかって？

…内緒。

…女には秘密があった方がいいでしょ？笑

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

あ、お客さんが来たみたい。

急いで、仮面をつけて入口の方へと向かう。

『いらっしゃいませー。ようこそ、『WISH』へ』

？？「…あの。ここは、どんなお店なんですか？」

『ここは、あなたの願いを叶えるお店です。
…あなたはどんな願いをお持ちですか？』

ここにくる人は、迷いこんでくるパターンと、人から噂を聞いてくるパターンがある。
…今回は、前者。

？？「…大切な人に、会わせてほしいんです。」

そう言った目の前の人は、青白い顔をしていた。

『…まずは、何か食べませんか？
ちょうどパウンドケーキを焼いたところなんです。』

何か食べさせないといけないという謎の心配から、紅茶と焼きたてのパウンドケーキを切って出す。

？？「…ﾊﾟｸ…うっま。」

『お口にあったようでよかったです。』

しばらくしたら、顔色が落ち着いてきた。

『…まずは、お名前からお伺いしてもよろしいですか？』

深澤「…深澤辰哉です。」

『それで、深澤様は大切な人に会いたいんですね？』

深澤「…はい。」

『…失礼ですが詳しく、話をお聞かせ願えないでしょうか？』

深澤「…俺は、SnowManというアイドルグループに所属しています。
…その、俺らにとって大切な人は1ヶ月前に自分で命を絶ったんです。。」

涙を堪えながら話す深澤様。

深澤「…俺らのせいなんです。…俺らが、気づいてあげられなかった。
1人で、苦しんでいたことも。スタッフさんからいじめられていたことも。
ストーカー被害に遭っていたことも。
…ただ、彼女が普段通りすぎたんです。…隠すのが上手な子だから泣」

深澤「…だから、俺の願いは、俺ら9人で、彼女に会うこと。
…もし会えたら、抱きしめて、謝りたいです。」

心臓がドクンと波打つ。
シャケが頷いてる。

『…その願い、叶えましょう。
次の満月の日。…15日後に9人揃っていらしてください。』

…これで、9991人目。

私が消えるまで、あと8人。