紅一点×SnowMan⑩ (ページ15)

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『仕事中？』

「ううん。自宅で料理してる。」

『当たり前だけど、1人だよな？』

「当然。こんなご時世だからね。」

たまに来ることはあるけど、今日は1人だった。
良かった。あんまり見つかりたくはないから。

『せっかくならさ、俺も自宅だし、リモートでご飯でも食べよう。まあ、俺は出前だけど。』

「うん。そしたら10分後でもいいかな？もう少しでご飯できるから。」

『おっけ。』

その言葉で一度電話が切れる。

私は料理の仕上げをして、
ダイニングに食事とiPadを準備する。

LINEで連絡したらすぐにビデオ通話が始まった。

『うわっ。めっちゃうまそう。それ何？』

「油淋鶏だよ。油使ってたから手を離せなかったの。」

『なるほどねー。俺は久々に出前の寿司だよ。』

そう言いながらまぐろをつまんで食べている。
しばらくはお互いの雑談やJr.の子の話になった。

『なんか注目してるJr.とかいる？』

「うーん。特には。」

『そっか。』

「ねぇ。そんな話したいわけじゃないでしょ？そんなの聞いてきたことないよ。」

そう言うと秀明くんは笑った顔していたのに、
真剣な顔つきに変わる。

『秋にLIVEあんだろ？そこでの歌についてなんだけど。』

「うん。」

『ユニット曲、Aはソロで行かないか？』

「え？」

全然方向が違う話で驚いた。

ユニット曲はまだグループ分けもできてなくて、
でも多分さっくんやラウちゃん、ひーくんと
一緒かななんて思ってたのに。

「私達のセトリに入ってくるなんて珍しいね。」

少なくとも秀明くんはJr.の会社の社長だから、
デビュー組について関わってくることはない。

唯一、滝沢歌舞伎だけ演出に関わるくらいだ。

『あー、いや、実はさ。前社長の最期の願いなんだよね。お前のソロって。』

「え？そうなの？」

Jr.の頃はよくソロの話をされていたけど。
そういうことだったんだ。